童話:マーヤと魔法の林檎(990717 22:50)

※これは、1997年7月17日に私のホームページの日記として掲載した文章です。(笑)

http://www.studio-rose.com/freetalk/freetalk9907.html

iMac

昔むかし、あるところにマーヤ・ミネオという絵描きがおりました。ある日、絵描き達が集まって宴会をすることになり、その余興で抽選会が行われました。マーヤが、「今年こそ、なにかいいものが当たりますように」と祈っていたところ、幸運の花と夢の精が現れ、なんと、オレンジタンジェリン色に輝く林檎を下さったのです。
その林檎には不思議な力があります。魔法の呪文を唱えると、世界中の人たちと交信することができるのです。マーヤは喜びました。「これで我が家も今日からめえるほおむぺえじが見られるぞ」  宴会には、すでに林檎を持っている仲間たちもいます。その一人であるノーマ・ミユキは、「じゃあ、その林檎を使って私に連絡を下さいね。私を呼び出す呪文はこれですから」と言ってめえるあどれすを渡し、マーヤからの連絡を楽しみに待つことにしました。
マーヤは喜び勇んでその林檎を家に持ち帰り、その夜はお祝いです。可愛い妻と子とともに歓迎の踊りを踊りました。
ところが、マーヤは残念なことに魔法の使い方を知らなかったのです。頼りにしていた妻も、踊りの稽古が忙しく林檎をいじるどころではありません。
そこへ、マーヤの弟が訪ねてきました。「兄さん、この林檎使っていないのかい?」「ああ、魔法の説明が載っているまにゅあるを読んでもわからないんだ」「それなら僕が持って帰って使ってもいいかな?」
そういうわけで、せっかく絵描き達の宴会で手に入れた魔法の林檎は、マーヤの弟の所に行くことになりました。
マーヤからの連絡を楽しみにしていたノーマは、いつまでたってもめえるが来ないのを不思議に思い、思い切って古い時代の連絡用呪文を使ってマーヤに訊ねてみることにしました。「もしもし? マーヤ? 林檎はどうなったの?」「ああノーマ、あれは弟の所に行ってしまったよ」「そうだったの。連絡がないから心配していたのよ」「申し訳ない。やはり僕には魔法を覚えるのは無理のようだ。でも、せっかく花と夢の精がくれたものなのに、弟に渡してしまったことも言えなくて…」「じゃあ、そのことを私がほおむぺえじで世界中の人に知らせてしまうのはダメなの?」「いや、もし何かそれらしいお話を作って説明してくれるならいいよ」「わかったわ。絶対に本当のことがわからないようにやってみる」
というわけでマーヤの物語はお終いです。この先マーヤは二度と魔法の林檎を手にするつもりはないそうです。とても淋しいことですが、この魔法は人によって向き不向きがあるので仕方ありませんね。(おわり)